リカステとカランテの葉。
  この二つのランには根と葉に共通点がある。
  類似するものがある。
  ランの進化において、見本、前例の植物がある。
  先輩の植物の姿で良いものは真似る方が簡単。
  新参者のランには、別な植物の見本がある。

 
  薄暗い林床に自生する植物には、このような葉を
   持つものは多くある。
薄い葉肉、幅広い葉身。
  効率の良い受光器とは言い難い。
  例えば「水芭蕉」の葉。
  この植物の夏の姿は、春のイメージとは程遠い。
  巨大な葉。

  それと比べればリカステもエビネも・・・
  可愛いものである。

 SUGOI-ne栽培   エビネ   山内正義氏 培養

  ものすごい芽出し。
  ラン菌による炭素循環栽培の成果である。
  光合成と枯れ落ち葉の糖が合算されるエネルギー。
    

 SUGOI-ne2号ゴールド栽培のブラッシア。  山内正義 培養

   ものすごい生育になる。

 分類学上では別種でも、オンシ、リカステ、オドント、ミルトニア、
 ブラッシア、ジゴペタラム・・・この中南米原産のランは、
 SUGOI-ne栽培で最高に作れる。特に大鉢栽培。
上の写真説明
 SUGOI-ne2号ゴールド 単用植え
 ポリ鉢
 4,5号鉢

 全部同じ大きさの鉢に植えた場合の根の比較。
 Cymbidiumの根の太さと比較すると一目瞭然である。


根をみればリカステは地生ランであることが解かる。
なぜ、ここにエビネの根を掲載したか。
エビネにはリカステと同じ自生地の中南米に二種自生しているからである。
C, calanthoides
同じ枯れ落ち葉、同じ雨、同じ光、同じ霧・・・でリカステもエビネも自生している。
同じラン菌で生きている。
だから、根は同じように進化した。
着生していても、その場所は地生と同じ枯れ落ち葉、湿度が保たれているということである。
ソウでなければ、この水の貯蔵庫のない細い根では、
広大な面積をもつ葉を維持できない。
森では光では弱者の・・・弱い光を最大限に利用する葉は、葉肉を厚くする必要ない。
強光から葉を守るクチクラ層をカトレアのように発達させる必要はないからである。

の脆弱な葉は、強風が当たればひとたまりもない。
したがって、強風が遮られる条件でなければならない。
光と強風。
この関係を計算して生きるランである。
光が足りなければ光合成は出来ない。
この細い貧弱な根で、大きなバルブを形成しなければならない。
Cymbidiumと比較すれば、根と葉の関係は不自然、不釣合いである。
これはクマガイソウでもいえる。
森林の弱光線下で生きるランほとんどは、葉と根の関係が不釣合いである。

リカステの根群は、ほとんどエビネと同じくらいである。
リカステとエビネ。
この二つの植物には共通点がある。
同じ進化の理念を持った植物であろう。
一度に全部の葉が伸びて展開するということである。
Cymbidium、デンドロのように、次々と何枚も葉を発生させながら生育するものではない。
前年の貯蔵養分をエネルギーにして、一気の全部の葉を伸ばす。

こういうランは、前年の作柄で翌年の生育は決まってしまう。
前年の栽培結果がモロに出る。
取り返しが出来ない。
一度作落ちすると、元に戻るのに3年かかる。

一度に伸び開いた葉で、次年度の養分を作るために光合成を行なう。
この葉が痛むようでは作落ち間違いない。
アカダニが発生するような環境では論外である。
なぜなら、この柔らかい組織の葉は、アカダニの絶好のオイシイ細胞である。
更に、広い葉の裏は紫外線が弱い。
アカダニにとって、これほど快適なところはない。
日本の夏というのは、一つ光の条件を間違うと、アカダニの大発生する条件になる。
自生地では、アカダニの発生はない。
紫外線は喬木、霧で弱くなっている。
更に散光になっている。
このことを考えると、光の量と共に光の質の問題である。
これまで、光の質が紫外線が散光がラン栽培で記され論じられたことはない。
不思議である。
全部光の量の制限・・・遮光である。
これではアカダニが発生する。

ラン菌。
これまで、リカステ栽培でラン菌が論じられたことはない。
自生地では、誰も肥料を与えない。
なぜ、それでも広大な葉を一気の伸ばすエネルギーが蓄えられるのだ。
細い根、薄い葉肉。
充分な光合成はどうやって行える???
本当に独立自養植物なのかリカステは。
これまで、水ゴケ、杉皮などラン菌削除のコンポストで、多湿気味に管理して、
それに肥料を与えてきた。
若い株はそれでも・・・・どうにか出来る。
この肥料漬けのバルブは、自生地におけるラン菌による炭素循環のバルブとは根本から異なる。
秋になると一気にバルブを肥らす。
この姿はセロジネも同じである。
エビネも同じ。
ラン菌が最も活動する温度の時にバルブを肥らす。
ラン菌が枯れ落ち葉を最も激しく分解する時期である。
セルロース、リグニン由来の糖。
葉による光合成の糖とラン菌が供給する糖。
この二つで、自生地では一気の巨大なバルブを形成する。
肥料栽培では、どうやっても、自生地ほどの充実したバルブは形成できない。

SUGOI-ne。
SUGOI-ne栽培では、自生地のラン菌による炭素循環が行われる。
無造作にリカステは出来る。
光条件を自生地に倣い、紫外線をカット、散光にすれば・・・。
リカステ、オドント、ブラシア、ミルトニア、ジゴペタラム・・・・オンシジューム。
これらの中南米原産のランは、ほとんど根の性質は同じ。
SUGOI-neで素晴らしい生育をする。


必ず一年中、枯れ落ち葉下の湿度・・・・オシボリの湿度を維持持続させること。
絶対に厳守事項である。


 

 シンビジュームの根

 カランテの根

 オドントの根
 
 リカステの根
 
  中南米の熱帯雨林。
  リカステの自生地に標高の差はあるが、共通するのは枯れ落ち葉、
  植物の死骸、コケの死骸が材木腐朽菌によって分解されている場所である。
  リカステの根をみる。

  こういう枯れ落ち葉が堆積している場所というのは、
  必ず一定の湿度が保たれている。
 
 リカステのプロトコームは生き生育できる湿度がある。
  これがラン科植物の自生地である。
  地生、着生・・・の形態は関係ない。着生でもプロトコームが生きる湿度は有る!
  雨期、乾期があるエリアでも、乾期には深い霧、夜露が湿度を与える。
  したがって、こういう場所に自生するランの根は、
  水の貯蔵庫を具備しなくても生きられる。
  下の写真で示す。

 
   SUGOI-ne
       リカステ 栽培

              エビネ栽培と同じ。
              
根と葉に共通点、類似点がある
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